Speedlineは集中線やスピード線を作成するためのGimpのプラグインです。Gimpには標準で集中線(Line Nova)のスクリプトがありますが、あまり複雑なことができないうえに、パラメータを追い込むのにいちいち実行してみないと、どんなものが出来上がるかイメージできない、のに、いざ実行すると実行速度が遅くてイライラするというストレスからこのプラグインを書きました。このプラグインはC言語で書きましたので速いです。またプレビュー画面があるので、どんな感じの線になるのか確認しながらパラメータをいじることができます。集中線の中心を自由にどこにでも設定することができたり、線の太さだけでなく色々パラメータを設定できます。どのようなことができるのかは作例をごらんください。
Gimp2.8以上
フリーウェアです
放射状に線を引くことができます。イメージとしては中心の点に向かって線を引く感じになります。
中心(Center) | X | 中心の座標X |
Y | 中心の座標Y | |
半径(Radius) | イン(In) | 中心座標から内側の円周 |
アウト(Out) | 中心座標から外側の円周 | |
扁平率 | 楕円にします(0=真円) |
並行に線を引くことができます。また入りの領域の幅と抜きの領域の幅を変えることでパースをつけることもできます。
入り(In) | X | 入りの座標X |
Y | 入りの座標Y | |
幅(Range) | 入りの平行線群の幅 | |
抜き(Out) | X | 抜きの座標X |
Y | 抜きの座標Y | |
幅(Range) | 抜きの平行線群の幅 |
ピクセルだけでなく、ミリ、ポイントで指定することができるので、原稿作成時にも直感的にパラメータの値を決めることができます。また解像度を変更したときもミリやポイントで指定していれば、同じ出力を得ることができます。
プレビューの画面のガイド(点、線)をマウスでドラッグすることで、領域のパラメータを変更することができます。放射(Radiation)の場合は、中心の(X, Y)座標、入りの位置を示す内円、抜きの位置を示す外円、楕円の扁平率を設定するポイントをマウスでドラッグして移動させることができます。平行(Parallel)の場合は、中心の(X, Y)座標、入りの範囲の中心点(X, Y)座標、抜きの範囲の中心点(X, Y)座標、入り抜きの幅を変更するガイドのポイント(四角形のコーナーポイント)、各ポイントを結んだ四辺の線、をマウスでドラッグして動かすことができます。
領域(Area)の設定で線を引く位置を決めたら、線のパラメータを設定します。線のパラメータの変更も即座にプレビューされるので、線の太さや長さ線のばらつきなどを確認しながらパラメータを追い込むことができます。
線のパラメータは次のとおりです
ピッチ(Pitch) | 線と線の間隔。小さいほど詰まる。タイプは入り抜きどちらかの位置での間隔を設定する |
太さ(Width) | 線の太さ |
入りの余白(In Margin) | 領域で指定した入り(In)の位置からさらに余白を取る |
入りの長さ(In Length) | 入りの長さ |
抜きの余白(Out Margin) | 領域で指定した抜き(Out)の位置からさらに余白を取る |
抜きの長さ(Out Length) | 抜きの長さ |
※入り抜きの長さが領域を飛び出さないように注意してください。
言葉で説明するのはむずかしいけど、大きく分けて線を引く領域と引かない領域が交互に出現する感じになります。
有ピッチ(On Pitch) | 線がある範囲の長さ |
無ピッチ(Off Pitch) | 線がない範囲の長さ |
言葉で説明するのはむずかしいけど、線の入り抜きをギザギザにしたり、波打ってるようにすることができます。波の形もギザギザだけでなく、なめらかなウェーブや、モコモコした形など、いくつかタイプがあり変更することができます。
波頂点数(Wave NPoint) | ギザギザの頂点の数。プログラムの都合により4の倍数。 |
波の深さ(Wave Depth) | ギザギザの長さ |
フリーハンドのチェックを入れると、IN/OUTの領域をマウスでドラッグして修正することができます。
Edit Startボタンを押して、プレビュー画面をなぞるだけの簡単操作です。修正が終わったらEdit Stopボタンを押してください。
ランダムに線を引くと、線が下の絵に重なってしまうときや、領域の形状をもっと複雑なものにしたい時に便利です。
IN/OUTの余白(Margin)を短めにすると、設定がしやすいかもしれません。
線のパラメータにはそれぞれ異なる乱数列のスロットを割り当てています。一つの乱数の変更が他のパラメータに影響しません。
たとえば、線の間隔(ピッチ)のランダムはこれでいいけど、余白(Margin)のランダムだけ変えたいとか、太さのランダム具合だけ変えたいとか、そういうときに便利です。
アンチエイリアスをかけたり切ったりできます。一応FAST、BESTと選べるようになってますが、あまり変らないかも。
最終的な成果物(印刷)によっては、アンチエイリアスがあると線がガタガタになってしまうこともあります。そういう時はアンチエイリアスを切ってください。
また、それほど高解像度が要求されなかったり、フルカラーだったりする場合はアンチエイリアスがあったほうがきれいに見えることもあります。
ケースバイケースで適切な方を選ぶことができます。
うまくできたものはパラメータを保存しておいてあとから呼び出して使うことができます。
ほとんどのプラグインはプレビュー画面がついていても、その下のレイヤーを表示できません。しかしspeedlineはレイヤーの統合画像をプレビューに表示するので、下絵に合わせて線の流れを決めることができます。
また選択範囲を作ってから実行すると、その選択範囲にあわせた大きさのレイヤーを作成します。
軽くて速いです。